GeoConverterPro の座標変換を国土地理院の公式ツールで全数検証する — TKY2JGD・PatchJGD・SemiDynaEXE・POS2JGD

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国土地理院公式ツールとの照合

GeoConverterPro の座標変換を国土地理院の公式ツールで全数検証する

GeoConverterPro(GCVP)の座標変換が正しいかを、国土地理院が公開している公式の変換ツールと1点ずつ突き合わせて検証しました。対象は東京測地系から JGD2024 系列(B/C/D)までの主要な変換経路です。本記事では、テスト方法・入力データ・各変換の検証結果を、ダウンロード可能なファイルとともに公開します。


1. テスト方法 — CSV一括変換 × 国土地理院サイト

検証は次の手順で行いました。

  1. GCVP で CSV を一括変換:テスト用の座標一覧(CSV)を GCVP の「CSV変換」機能に読み込み、各測地系(JGD2000 / JGD2024 / JGD2024B / JGD2024C / JGD2024D)の値を一度に算出します。
  2. 同じ入力を国土地理院の公式 Web ツールで変換:各補正に対応する公式ツールへ同一の座標を入力し、変換結果を取得します。
  3. 1点ずつ突き合わせ:GCVP の出力と国土地理院ツールの出力の差を緯度・経度それぞれで求め、水平距離(mm)として残差を算出します。

各変換と、照合に用いた国土地理院の公式ツールの対応は次の通りです。

変換 補正の種類 照合した国土地理院ツール
東京測地系 → JGD2000 旧日本測地系の変換 Web版 TKY2JGD Ver.1.3.80
JGD2000 → JGD2024(基準) 地震時地殻変動補正(2003〜2011年) Web版 PatchJGD Ver.1.0.1
JGD2024 → JGD2024B 地震時地殻変動補正(2012年以降) Web版 PatchJGD Ver.1.0.1
JGD2024 → JGD2024C セミダイナミック補正 Web版 SemiDynaEXE Ver.1.0.1
JGD2024 → JGD2024D 定常時地殻変動補正 POS2JGD(定常時地殻変動補正サイト)

残差はいずれも座標の小数桁の丸め(1単位 ≒ 0.1mm 前後)の範囲に収まっており、変換精度は国土地理院の公式ツールとミリ単位(おおむね1mm未満)の違いに収まっています。


2. テスト入力データ

入力は 64点です。内訳は次の通りです。

  • 47都道府県の県庁所在地:全国にまんべんなく分布する基本セット
  • 地震高影響点 17点:プレ2012・ポスト2012の各地震の近傍・大変位点(牡鹿半島・気仙沼・帯広・輪島・柏崎・栗原・宮古島・宇土 など)。これにより、各地震補正パラメータが実際に効く地点を網羅します

ダウンロード:


3. テスト結果

(a) 東京測地系 → JGD2000(TKY2JGD)

47都道府県で照合。全点で残差 0.21mm 未満(最大0.208mm=熊本、平均0.109mm)。旧測地系から JGD2000 への変換は国土地理院 TKY2JGD と一致しました。

(b) JGD2000 → JGD2024(基準=JGD2011)(PatchJGD・地震時補正)

JGD2024 の基準座標は JGD2011 と同一で、JGD2000 との差は 2003〜2011年の地震による補正です。補正が発生する全点(47都道府県中21県+高影響16点)で残差 0.3mm 未満。最大変位の石巻市鮎川(補正量5.6m)でも残差0.11mmで一致しました。十勝沖2003・福岡県西方沖2005・能登半島2007・中越沖2007・岩手宮城内陸2008・宮古島近海2008・東北地方太平洋沖2011 の各パラメータを確認しています。

(c) JGD2024 → JGD2024B(PatchJGD・2012年以降の地震時補正)

JGD2024 と JGD2024B が異なる6点(熊本2016・令和6年能登半島2024・日向灘2024 の影響地点)で照合。全点で残差 0.4mm 未満で一致しました。なお、変位が大きく複雑な震源核では国土地理院が補正パラメータを公開していないため、その領域では GCVP・公式ツールともに補正が出ません(仕様)。

(d) JGD2024 → JGD2024C(SemiDynaEXE・セミダイナミック補正)

セミダイナミック補正は全国一律に適用されるため、64点すべてが対象。全点で残差 0.4mm 未満(最大0.367mm=鳥取)で一致しました。補正量はプレート運動の累積で大きく、東北太平洋側で最大(奥州1.75m など)です。

(e) JGD2024 → JGD2024D(POS2JGD・定常時地殻変動補正)

定常時地殻変動補正も全国一律で、64点すべてが対象。全点で残差 1.7mm 未満(POS2JGD の出力が小数8桁のため丸めがやや大きい)で一致しました。定常補正のパラメータは約2か月ごとに更新されるため、GCVP と公式ツールでは同じ版のパラメータを使う必要があります(本検証はいずれも2026年4月版 pos2jgd_202604)。


まとめ

変換 照合ツール 対象点 最大残差
東京測地系 → JGD2000 TKY2JGD 47 0.21 mm
JGD2000 → JGD2024(基準) PatchJGD 21県+16点 0.28 mm
JGD2024 → JGD2024B PatchJGD 6 0.40 mm
JGD2024 → JGD2024C SemiDynaEXE 64 0.37 mm
JGD2024 → JGD2024D POS2JGD 64 1.68 mm

すべての変換経路で、GeoConverterPro の出力は国土地理院の公式ツールと、座標の丸め誤差の範囲(おおむね1mm未満)で一致しました。変換精度は国土地理院の公式ツールとミリ単位(おおむね1mm未満)の違いに収まっており、残差は出力桁数の丸めに由来します。GCVP の座標変換は、国土地理院の公式パラメータと整合していることを確認できました。


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