
リーン初版という選択 — 10章構想を8章に絞って早く出す判断(連載⑤)
連載①の「Kindle本の制作全体像」で紹介したとおり、完成した本は序章+全9章+終章+付録という構成です。ただし執筆の初期段階では、もう少し多い章立てを構想していました。今回は、完全版を待たずに一部を絞って早く出す「リーン初版」という判断についてです。
当初のフル構想
企画段階でまとめた章立ての構想では、本編を10章前後に分ける案がありました。TOKYOからJGD2024までの歴史、高さの話、プレート運動と元期・今期、現場の落とし穴——扱いたいテーマを並べると、章数はどうしても増えていきます。
「早く出す」判断の理由
構想どおりの章数をすべて書き上げてから出版する、という選択肢もありました。ですが、次の2つの理由から、先に絞った構成で早く形にする方針を選びました。
- 鮮度:JGD2024・標高改定・ジオイド2024といった話題は、時間が経つほど「今さら」感が出やすいテーマです。話題が新しいうちに世に出す価値があると判断しました。
- 完璧主義の罠:全章を完璧に仕上げてから出そうとすると、いつまでも「もう少し直したい」箇所が見つかり続けます。電子書籍は後から改訂できるという前提に立ち、まず形にすることを優先しました。
削る基準
章を絞る際の基準は、「独立した1章として立てるべきか、既存の章に要約として組み込めるか」でした。単独では厚みが出にくい内容は、関連の深い章の中に要約として埋め込み、章数そのものを圧縮しています。結果として、初期構想よりも少ない章数で、最初のバージョンを組み立てました。
Ver2で埋め戻す設計
削った内容をそのまま捨てるのではなく、「将来の改訂版(Ver2)で独立した章として埋め戻す」という前提で設計している点がポイントです。KDPは電子書籍の性質上、一度出版した後も内容を改訂・再アップロードできます。この仕組みを踏まえ、初版はリーンに、改訂版で厚みを足すという二段構えの計画にしています。
結果論 — 初版から今の構成まで
連載①で紹介した「序章+全9章+終章+付録」という現在の構成は、リーンに絞った初期版から、その後の推敲で章を埋め戻していった結果たどり着いたものです。当初の10章構想からは章の括り方こそ変わりましたが、内容として扱いたかったテーマはおおむね現在の9章構成に収まっています。埋め戻しにかかった具体的な時間は正確に記録していませんが、体感としてはごく短期間で収束したという印象です。
まとめ
- 企画段階では10章前後のフル構想があったが、鮮度と完璧主義の罠を避けるため、絞った構成で早く形にする「リーン初版」の方針を選んだ。
- 独立した章として立てにくい内容は、関連する章への要約として組み込み、章数を圧縮した。
- 削った内容は「Ver2で埋め戻す」前提で設計しており、KDPの改訂のしやすさを活かした二段構えの計画になっている。
- 現在の「序章+全9章+終章+付録」という構成は、その埋め戻しの結果としてたどり着いたもの。
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