
ブログ記事80本を1冊の本に再編する — 「点」を「線」にする方法(連載③)
連載①ではKindle本の制作全体像を、連載②では市場調査で見つけた「JGD2024を扱う書籍の空白」を紹介しました。今回は、実際の執筆作業で最初に手を付けた工程——既存ブログ記事80本超を、書籍の章立てにどう再編したかという話です。
素材の棚卸し — 記事と章の対応表を作る
まず行ったのは、GCVP・GPRMの既存記事を1本ずつ棚卸しし、「どの記事がどの章の材料になるか」を対応表にまとめる作業でした。たとえば旧日本測地系を扱った記事群は第2章(TOKYO)の材料に、標高改定・ジオイド関連の記事群は第5〜6章(高さの話)の材料に、といった具合です。この対応表を作ることで、「どの章がすでに厚みのある材料を持っていて、どの章が手薄か」が可視化されました。
時系列を背骨にする章立て設計
ブログは記事ごとに独立していて、読む順番を選びません。しかし書籍では、TOKYO→JGD2000→JGD2011→JGD2024という時系列そのものを背骨にすることで、初めて読む人でも迷わず前提知識を積み上げられる構成にしました。技術的なテーマ(座標変換、ジオイド、プレート運動)を先に並べる構成案もありましたが、「なぜその技術が必要になったか」という歴史的な文脈を先に置いた方が理解しやすいと判断し、時系列構成を採用しています。
ブログと書籍の文体の違い
ブログ記事は「その記事単体で完結する」ことを前提に、毎回背景説明を挟みます。一方、書籍は前の章を読んでいる前提で話を進められるため、同じ内容でも繰り返しの説明を削り、章をまたぐ参照に置き換える書き直しが必要でした。「〜については第2章で触れたとおり」というような、本ならではの参照表現もこの過程で増えています。
書き直しの実例
ブログ記事では「見出し+結論+詳細」という構成が読みやすい一方、書籍の1節としてはやや単調に感じられる場面がありました。書籍版では、同じ結論に至るまでの過程を地の文でつなぎ、章全体を通した「物語」として読めるように書き直しています。個別の技術的な正確性は元記事の内容を踏襲しつつ、文章としての流れを優先した書き直しです。
ブログと本の棲み分け
再編を進める中で、「ブログに残すべき情報」と「本に移すべき情報」の役割分担も整理しました。
- 操作説明・アプリの使い方:更新頻度が高く、画面キャプチャも伴うため、引き続きブログ記事側で扱う
- 概念・歴史・仕組みの説明:陳腐化しにくく、通読して理解する価値が高いため、本に集約する
この棲み分けにより、本を読み終えた読者が「実際に手を動かすとき」はブログ記事(GeoPrism JP/GeoConverterProの各ガイド記事)に戻ってくる、という導線を意識しています。
まとめ
- 既存記事80本超を「記事→章」の対応表で棚卸しし、章ごとの材料の厚みを可視化した。
- 章立ては時系列(TOKYO→JGD2000→JGD2011→JGD2024)を背骨にして設計した。
- ブログと書籍では文体・繰り返しの扱いが異なるため、単純なコピペではなく書き直しが必要だった。
- 「操作説明はブログへ、概念はの本へ」という役割分担で、本とブログの導線を設計した。
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開発者より: アプリ・Kindle本・オープンソースの一覧は GitHub: amru195704 にまとめています。
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