
本とnote連載の二段構え — 章ごとのnote下書き運用(連載⑱)
連載第18回です。Kindle本「日本の測地系がわかる本」を出したあと、宣伝の場としてnoteでも並行して書き続けています。今回は、本の章をそのままnoteに転載するのではなく、章ごとに「note向けの下書き」を別途用意するという二段構えの運用と、その設計理由をまとめます。
noteを使う理由 — 検索とSNSの中間、そして課金導線
ブログ(WordPress)・note・Kindle本という3つの媒体は、それぞれ役割が違うと考えています。
- ブログ(WordPress):検索流入が主戦場。技術的に掘り下げた記事を継続的に置き、SEOで長期的に読まれることを狙う
- note:フォロー・SNSシェアを起点にした「今読まれる」場。読み物として完結しやすく、興味を持った読者をそのまま有料コンテンツ(電子書籍・マガジン)へ橋渡ししやすい
- Kindle本:体系立てて通読したい読者向けの完成品。個別記事の寄せ集めではなく、章立てで再構成した「線」になっている
ブログが検索エンジン向けの資産、noteがSNS・フォロワー向けの導線、Kindle本が最終的な収益物、という三段構えです。noteは検索とSNSのちょうど中間に位置していて、ブログほど専門的でなく、Kindle本ほど重くない「読み物」として書けるのが特徴だと感じています。
章→note記事への切り出し方 — 全文は出さない
note原稿を作る際にもっとも気を付けているのは、本の章をそのまま転載しないことです。KDPセレクト(Kindle Unlimited)に登録している以上、本文の抜粋を外部で無制限に公開してしまうと、独占配信の趣旨に反しますし、そもそも「本を買わなくてもnoteで読めてしまう」状態は避けたいところです。
そこで、note記事は次のような方針で章から書き下ろしています。
- 章のテーマ・結論だけを紹介し、本文の文章そのものはコピーしない
- 章にある図表・数式は原則載せず、「本ではこう説明している」という要約にとどめる
- note記事の分量は本の章より大幅に短く、「概要を知って興味を持ってもらう」ことに徹する
- 章の中で特に反応が良さそうな1エピソード(開発秘話・気づき)だけを掘り下げて書く
このブログ連載自体も、Kindle本の制作過程を書き下ろしている点では同じ考え方です。本の中身そのものではなく、「本を作る過程で起きたこと」を独立したコンテンツとして書いているため、本の内容を先取りしてしまう心配がありません。
公開ペース設計
note記事は、ブログのKindle連載(本記事のような「制作の裏側」シリーズ)とは別に、関連ブログ記事をテーマ別にまとめて紹介する連載という形でも運用しています。GeoConverterPro・GeoPrism JP・GeoDiveExaの技術ブログ記事を、FAQページのカテゴリ分類(アプリ紹介・測地系を学ぶ・座標変換の基礎など)に沿って、1回あたり4本程度ずつ紹介していくペースです。
一度に大量の記事を紹介すると散漫になり、逆に間隔が空きすぎるとフォロワーの記憶から薄れてしまうため、毎日少しずつ・カテゴリを1つずつ消化していくというペース配分にしています。あるカテゴリの記事を紹介し終えたら次のカテゴリへ進み、全カテゴリを一巡したら新着記事まとめ回に戻る、という循環構造です。
noteとブログ(WordPress)の役割分担
同じ「文章を書く」作業でも、note記事とブログ記事では書き方の狙いが異なります。
| 観点 | ブログ(WordPress) | note |
|---|---|---|
| 主な流入経路 | 検索エンジン | フォロー・SNSシェア |
| 記事の性格 | 技術的に掘り下げた解説 | 読み物・まとめ・エピソード |
| 文章量 | 長め(見出し・図表込み) | 短め(800〜1,200字程度) |
| 内部リンクの役割 | 記事間の回遊(SEO内部リンク) | ブログ記事への誘導(実URL) |
| 収益への接続 | アプリDL・広告収益なし | Kindle本・マガジン購読への導線 |
note記事の末尾には、紹介したブログ記事へのリンクとアプリへの導線を必ず入れていますが、CTA(行動喚起)は1つに絞るようにしています。あれもこれも押し出すと、結局どれも読者に響かないという感覚があり、記事群のテーマに一番関連するアプリだけを案内する形にしています。
効果測定の観点
note・ブログそれぞれで見ている指標は次のようなものです。
- note:スキ数・フォロワー増加・マガジン購読数の推移
- ブログ:検索流入数・記事間の内部リンククリック率
- 横断的な指標:note経由でブログやアプリストアへのリンクがクリックされた比率
まだ定量的に厳密な効果測定の仕組みを組んでいるわけではありませんが、「noteで読んだ人がブログの詳しい記事に流れているか」「アプリDLにつながっているか」を大まかにでも追うことで、noteという媒体を単発の宣伝ではなく、ブログとKindle本をつなぐ導線として機能させられているかを確認するようにしています。
まとめ
- ブログ(検索資産)・note(SNS導線)・Kindle本(収益物)という三段構えで媒体を使い分けている
- note記事は本の章の転載ではなく、章のテーマだけを取り出した書き下ろしにして、KDPセレクトの独占配信を守っている
- note記事は「関連ブログ記事のテーマ別まとめ連載」という形でも運用し、1回あたり数本ずつ・カテゴリを1つずつ消化するペースにしている
- ブログとnoteでは文章量・流入経路・CTAの絞り方が異なり、それぞれの役割に合わせて書き方を変えている
次回は、執筆の文体ルールを先に決めた話を書く予定です。
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開発者より: アプリ・Kindle本・オープンソースの一覧は GitHub: amru195704 にまとめています。
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