GeoCoreJP機能更新 — jgd2024bc/jgd2024bd複合座標変換を追加(大地震エリアの取りこぼしを防ぐ)

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jgd2024bc/jgd2024bd複合座標変換のフロー

GeoCoreJP機能更新 — jgd2024bc/jgd2024bd複合座標変換を追加

GeoConverterPro(GCVP)と GeoPrism JP が共有する変換エンジン GeoCoreJP に、新しい複合座標変換 jgd2024bcjgd2024bd を追加しました。これは「個別地震の補正(B)」と「全体の地殻変動補正(C/D)」を 一度の変換でまとめて適用 するものです。なぜ単独では足りず、複合が必要なのかを、ヒートマップで見ながら整理します。


何が追加されたか

順変換(元期→今期、JGD2024側へ)のとき、まず jgd2024b 補正 を行い、そのあとに jgd2024c もしくは jgd2024d を実行する複合変換を用意しました。

名称 中身(順変換・元期→今期)
jgd2024bc jgd2024b 補正 → jgd2024c 補正
jgd2024bd jgd2024b 補正 → jgd2024d 補正

逆変換(今期→元期)では逆順に処理されるため、内部の流れは jgd2024c → jgd2024bjgd2024d → jgd2024b となります。


なぜ複合が必要か — B と C/D は役割が違う

ポイントは、C/D は「全体の地殻変動」を扱うが、個別の地震は含んでいないことです。一方 B は個別地震の補正で、効く範囲が局所的です。この役割の違いはヒートマップを並べると一目で分かります。

jgd2024b — 個別地震の補正(局所的・小さい)

jgd2024b 個別地震の地殻変動補正ヒートマップ(青森県東方沖地震)

B は特定の地震に対応した補正です。たとえば上の例(令和7年 青森県東方沖地震)では、補正が効くのは震源周辺のごく狭い範囲で、最大補正量も 0.09m 程度にとどまります。「その地震が起きた場所だけ」を直すのが B の役割です。

jgd2024c / jgd2024d — 全体の地殻変動補正(全国・大きい)

jgd2024c セミダイナミック補正量ヒートマップ(全国)

jgd2024d 定常時地殻変動補正量ヒートマップ(全国)

C(セミダイナミック補正)と D(定常時地殻変動補正=pos2jgd)は、日本全国にわたるプレート運動由来の変動を扱います。補正量も全国規模で大きく、上の例では最大 2.68m に達します。ただしこれは 定常的(じわじわ進む)変動が中心で、個別の大地震による「飛び」は含んでいません


単独では補正しきれない場所がある

ここから論理的な帰結が出てきます。

  • C/D だけを適用すると:全体の定常変動は直せても、その場所で起きた個別地震の飛びを取りこぼす
  • B だけを適用すると:個別地震は直せても、全国規模の定常変動が反映されない

つまり 大きな地震があった場所では、B と C/D の両方が必要 になります。そこで GeoCoreJP は、B を適用したうえで C/D を重ねる 複合補正(jgd2024bc/jgd2024bd) を用意しました。地震エリアでは複合、それ以外では単独、という使い分けができます。

ケース 推奨 理由
大地震があったエリア jgd2024bc / jgd2024bd(複合) 個別地震+全体変動の両方を補正
定常変動が主のエリア jgd2024c / jgd2024d(単独) 全体の地殻変動のみで足りる
特定地震だけ見たい jgd2024b(単独) 個別地震の補正量を確認

変換の全体像 — JGD2024 を中心とした相互変換

GeoCoreJP は、JGD2024(WGS84 とほぼ同一)を中心に各測地系を相互変換します。今回の複合 JGD2024BC/JGD2024BD も、単独の JGD2024B/C/D と同じく JGD2024 と相互変換できます。

  • JGD2024B / C / D / BC / BD ⇄ JGD2024(個別地震・全体変動・複合の各補正)
  • JGD2024(WGS84)⇄ JGD2011(ジオイド変換を含む)
  • JGD2011 ⇄ JGD2000 ⇄ TOKYO(旧日本測地系)

つまり JGD2024・JGD2011・WGS84 はいずれも JGD2000 を経由して旧日本測地系(TOKYO)へつながり、これらはすべて 平面直角座標(1〜19系) へ変換できます。複合補正(BC/BD)は、この相互変換の入口で 個別地震(B)+全体変動(C/D)をどう重ねるか を整理したものです。B・C・D の単独比較は別記事で詳しく扱っています。


まとめ

jgd2024bc/jgd2024bd は、「個別地震の補正(B)」と「全体の地殻変動補正(C/D)」を一度にかける複合変換です。C/D は全国規模だが個別地震を含まず、B は個別地震だが局所的——役割が違うため、大地震エリアではどちらか単独では補正しきれません。複合補正を使うことで、地震エリアでも取りこぼしのない座標変換ができます。数値・適用範囲は最新の国土地理院公表値を基準にご確認ください。


関連記事(参考情報)


出典

  • 国土地理院「測地成果2024(JGD2024)」 https://www.gsi.go.jp/sokuchikijun/sokuchikijun41003.html
  • 国土地理院「セミ・ダイナミック補正」 https://www.gsi.go.jp/sokuchikijun/semidyna.html
  • 国土地理院「定常時地殻変動補正(POS2JGD)」 https://www.gsi.go.jp/sokuchikijun/sokuchikijun41012.html

開発者より: アプリ・Kindle本・オープンソースの一覧は GitHub: amru195704 にまとめています。


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本記事の情報は参考目的で掲載しており、正確性・完全性を保証するものではありません。誤記・不正確な情報がございましたら、コメント欄よりご指摘いただければ、確認のうえ修正いたします。


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