【2026年4月版】定常時地殻変動補正パラメータ(pos2jgd)が更新 — 1月版からの変化をヒートマップで見る

セミダイナミック補正(地殻変動補正パラメータ.2026)が更新されたのと同様に、定常時地殻変動補正(pos2jgd)も新しい版に更新されました。pos2jgd のパラメータは 2か月ごとに更新されるため、セミダイナミック補正(年次更新)よりも高頻度です。GeoConverterPro で jgd2024d(定常時地殻変動補正適用) を扱う際の前提になるので、最新版の内容と、前の版からの変化を整理します。
定常時地殻変動補正(pos2jgd)とは
POS2JGD は国土地理院の定常時地殻変動補正システムで、みちびきの CLAS や PPP などで得た高精度な測位座標を、国家座標(JGD2024)と整合させるための補正です。プレート運動や地震後の余効変動による継続的なズレを、全国メッシュの補正パラメータで補います。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 元期座標 | 測地系の基準時点(測地成果2024)での位置 |
| 今期座標 | 測量を実施した実際の時点での位置 |
| pos2jgd パラメータ | 元期↔今期を変換する全国メッシュ補正量(2か月毎に更新) |
GeoConverterPro では、この補正を適用した座標系を jgd2024d として扱います。仕組みの詳細は 定常時地殻変動補正(jgd2024d)とは何か をご覧ください。
2026年4月版の更新ポイント
最新版(pos2jgd_202604)は、前版(pos2jgd_202601)から測位座標系の基準が ITRF2014 から ITRF2020 へ更新され、元期も新しくなっています。
| 項目 | 2026年1月版 | 2026年4月版(最新) |
|---|---|---|
| パラメータ | pos2jgd_202601 | pos2jgd_202604 |
| 測位座標系 | ITRF2014 + GRS80 | ITRF2020 + GRS80 |
| 元期 | 2025-10-01 | 2026-01-01 |
| 適用期間 | 2025/12/1〜2026/3/31 | 2026/4/21〜6/30 |
公共測量や精密測量では、観測時点に対応する版のパラメータを使うのが原則です。元期からの経過時間が延びるほど、プレート運動と地震後の余効変動の累積によって補正量は少しずつ増加していきます。
ヒートマップで見る 1月版 → 4月版の変化
定常時地殻変動補正量を全国で可視化したヒートマップです(色は GeoPrismJP と同じ凡例)。

左:2026年1月版(pos2jgd_202601)、右:2026年4月版(pos2jgd_202604)。一見すると2枚はほとんど同じに見え、タイトルの最大補正量も両版とも「0.0882秒 ≈ 2.68m」で一致します。これは最大補正量が現れる地点が沖縄・南西諸島の南西端(与那国島付近、約24.5°N・122.9°E)にあり、その地点の値が両版でほぼ変わらないためです。タイトルの「最大補正量」はこの1点に支配されるので、両版で同じ数値になります。ただし「最大補正量が同じ」=「分布が同じ」ではありません。
差分で見る — 変化したのはどこか
4月版から1月版を引いた差分ヒートマップ(変化量の大きさ |Δ|)を見ると、変化の在り処が一目で分かります。

差分は東北地方太平洋側(岩手県沖・約40°N, 142°E)に集中し、最大で約0.0036秒 ≈ 9cmに達します。これは東日本大震災(2011年)後の余効変動が現在も継続しているためで、わずか3か月でも無視できない変化が生じます。逆に南西諸島・西日本では変化はごく小さく、最大補正点(与那国付近)の値が据え置かれていたことと整合します。
精密測量では、適用するパラメータの版(時点)に注意が必要です。特に東北など地殻変動の大きい地域では、最新版の pos2jgd を使うことが重要です。
GeoConverterPro での扱い
GeoConverterPro の jgd2024d は、この定常時地殻変動補正を適用した座標系です。アプリ内では最新世代のパラメータに基づいて補正するため、利用者が手動でファイルを差し替える必要はありません。
測位座標(ITRF2020) ── 定常時地殻変動補正(pos2jgd 202604) ──▶ 今期座標(jgd2024d)
版をまたいで継続する測量では「どの版のパラメータで処理した座標か」を記録しておくと、成果の整合性を保てます。
まとめ
定常時地殻変動補正(pos2jgd)は2か月ごとに更新される定例トピックです。2026年4月版は測位座標系が ITRF2020 へ更新され、前版(1月版)からの変化は東北太平洋側を中心に最大約9cm。最大補正量の数値だけでは違いが見えないため、差分マップで変化箇所を確認するのが要点です。
- 定常時地殻変動補正(jgd2024d)とは何か
- 【2026年度版】地殻変動補正パラメータ.2026 が公開(セミダイナミック補正)
- 補正量ヒートマップの読み方
- GeoPrismJP ヒートマップ全データ一覧(測地系ズレ・地殻変動補正の可視化)
参考:国土地理院「定常時地殻変動補正サイト POS2JGD」 https://positions.gsi.go.jp/cdcs/
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※ 用語について:本記事で使用している jgd2024d は、GeoCore の座標変換機能名であり、一般的な正式名称ではありません。
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