楕円体高から標高へ — ジオイド2024で「高さ」を正しく変換する

RTK-GNSS やスマホ測位で得られる「高さ」は、私たちが普段使う「標高」とは別物です。GNSS が直接出すのは 楕円体高で、地図や工事で使う 標高に変換するには ジオイド高を差し引く必要があります。2025年4月の全国標高成果改定で新しいジオイドモデル 「日本及びその周辺のジオイド2024」 が採用されたため、この変換は改めて押さえておきたいテーマです。GeoConverterPro で高さを扱う際の前提として整理します。
3つの「高さ」の関係
| 用語 | 意味 | 何で得るか |
|---|---|---|
| 楕円体高(h) | 回転楕円体(GRS80)からの高さ | GNSS / RTK 測位の生値 |
| ジオイド高(N) | 楕円体からジオイド面までの高さ | ジオイドモデル(ジオイド2024 等) |
| 標高(H) | ジオイド(≒平均海面)からの高さ | 上記2つから計算 |
関係式はシンプルです。
標高 H = 楕円体高 h − ジオイド高 N
GNSS は楕円体高をそのまま出すため、ジオイド高を引かないと「実用的な標高」になりません。ジオイド高は場所によって異なり、日本周辺では概ね30〜40m程度の値をとります。
なぜ「ジオイド2024」で変わるのか
2025年4月1日、国土地理院は全国の標高成果を改定し、あわせて新しいジオイドモデル「日本及びその周辺のジオイド2024」を整備しました。従来は水準測量を基準としていた標高を、衛星測位(GNSS)を基準とする体系へ移行する流れの一環です。
ジオイドモデルが更新されると、同じ楕円体高でも計算される標高がわずかに変わります。したがって「いつのジオイドモデルで変換したか」は、成果の整合性を保つうえで無視できません。GNSS 標高測量ではセミダイナミック補正の適用も求められるようになっており、高さの取り扱いは年々厳密化しています。
ジオイド高は地域によって異なります。下図は GeoConverterPro のジオイド差分ヒートマップで、場所ごとの差を色で可視化したものです。

座標変換の全体フローは下図のとおりで、水平位置の変換と高さの変換はそれぞれ独立した処理として扱われます。

実務での注意点
ひとつは、水平位置と高さは別系統だという点です。緯度経度(水平)は測地系の元期・今期の議論、高さはジオイドモデルの議論で、それぞれ独立に管理されます。標高だけが改定されたケースについては GeoPrismJP 側の解説も参考になります。
もうひとつは、ジオイド高を引き忘れないこと。GNSS の生値をそのまま標高として記録すると、30m以上ずれた値になってしまいます。アプリやソフトが内部でジオイド補正をかけているか、必ず確認しましょう。
セミダイナミック補正のパラメータ更新や、定常時補正の扱いについては、別記事で詳しく整理しています。
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出典
- 全国の標高成果の改定 | 国土地理院 https://www.gsi.go.jp/sokuchikijun/hyoko2024rev.html
- 全国の標高成果の改定に関するQ&A | 国土地理院 https://www.gsi.go.jp/sokuchikijun/hyoko2024rev-QA.html
- 基準点の新しい測量成果「測地成果2024」等の提供 | 国土地理院 https://www.gsi.go.jp/keikaku/hyoko2024rev-data.html
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