補正量ヒートマップの読み方

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補正量ヒートマップの読み方——5種類のパラメータで日本列島の「座標のズレ」を見る

headmap比較

GeoConverterPro の情報・ヒートマップ画面では、日本全国の座標補正量を色分け地図として確認できます。「変換結果の数値はわかったが、この補正は自分の現場で大きいのか小さいのか」——その感覚をつかむのがこの画面の役割です。

表示できるパラメータは5種類あり、それぞれ別の補正データを可視化しています。どのマップが何を表しているかを知ることが、このツールを活かす第一歩です。


5つのパラメータと対応する測地系

パラメータ名 何の補正か 関係する測地系
TKY2JGD 東京測地系 → JGD2000 への移行補正 東京測地系 → JGD2000以降
jgdMerge2011 2000〜2011年の地震による座標変動 JGD2011への補正量
jgdMerge2024 2012〜2024年の地震による座標変動 JGD2024Bへの補正量(熊本・能登を含む)
ジオイド2011–2024差分 標高計算に使うジオイドモデルの改定差 標高・楕円体高の計算
pos2jgd(定常時地殻変動) プレート運動による恒常的な座標変化 JGD2024Dへの補正量

TKY2JGD——旧測地系と新測地系の「地図のズレ」

TKY2JGDヒートマップ

このマップは、東京測地系(旧測地系)の座標が、JGD2000(現行測地系)と比べてどれだけズレているかを全国分布で示したものです。

色が濃いほど補正量が大きく、実際には緯度方向に約-10〜-13秒、経度方向に+8〜+15秒の範囲でズレています。これを距離に換算すると、全国おおむね 300〜450m 程度の差が生じます。

読み取れること

  • 補正量は全国で比較的一様。東京測地系は日本全体を一枚の楕円体(Bessel楕円体)で近似しているため、経緯度の系統的なズレが全国に広がっています。
  • ただし、沖縄や北海道など日本の端では補正量が本州と若干異なります。これはBessel楕円体と GRS80楕円体の形状差が、日本列島の端に向かうほど大きく出るためです。

いつ使うか

地籍測量図や古い都市計画図が東京測地系で作成されている場合、このマップで自分の現場の補正量の目安を確認できます。

📖 技術詳細:国土地理院TKY2JGD補正相当の地殻変動補正を実装する


jgdMerge2011——2011年東日本大震災までの地震変動

jgdMerge2011ヒートマップ

このマップは、2000〜2011年の地震による地殻変動が座標にどれだけ影響したかを示します。主に 2011年東北地方太平洋沖地震、2004年新潟中越地震などが対象です。

読み取れること

東日本大震災(2011年)の影響が圧倒的に大きく、東北地方の太平洋側では補正量が数十cm〜1m以上に達します。仙台平野付近では特に顕著で、これは地盤が東方向に大きく移動したことを反映しています。一方、日本海側や西日本では補正量が小さく色が薄くなります。

東北の現場で旧来の成果(JGD2000時代の座標)と JGD2011 以降の成果を照合する際、このマップで補正の大きさを事前確認できます。

📖 技術詳細:Tokyo〜JGD2024までの地震変動パラメータの可視化


jgdMerge2024——熊本地震・能登半島地震の座標変動

jgdMerge2024ヒートマップ

このマップは、2012〜2024年の地震による地殻変動を示します。主に 2016年熊本地震と 2024年能登半島地震が対象です。

読み取れること

能登半島付近と熊本県付近に大きな補正量が集中しています。2024年能登半島地震では一部地点で補正量が特に大きく、2016年熊本地震の影響も熊本・大分に局所的に現れています。

jgdMerge2011 と比べると影響範囲は局所的ですが、その地点での補正量は非常に大きくなる場合があります。能登・熊本の現場では、このマップで補正の有無と規模を確認することが重要です。

📖 技術詳細:Tokyo〜JGD2024までの地震変動パラメータの可視化


ジオイド2011–2024差分——標高計算の「静かな変化」

ジオイド差分ヒートマップ

このマップは、ジオイドモデルが2011版から2024版に改定されたことで、標高計算にどれだけの差が生じるかを示します。

ジオイド高とは「楕円体(GPSが使う基準面)から平均海面までの高さ」のことで、この値を使って GPS の楕円体高を日常的な標高(正標高)に変換します。

読み取れること

差分は全国的に 数cm〜10cm台の範囲に収まっており、水平座標の補正(数十cm〜数m)と比べると小さい値です。しかし精密工事や水準測量では無視できない差になる場合があります。

  • 自分の現場でジオイドモデルの違いがどの程度影響するかを事前に確認できます
  • GeoConverterPro の設定でジオイドモデルを 2011/2024 に切り替えると、この差分がそのまま標高計算に反映されます

📖 技術詳細:ジオイド2011-2024と差分を可視化してみた


pos2jgd(定常時地殻変動)——毎年じわじわ動く座標

pos2jgdヒートマップ

このマップは、地震とは無関係にプレート運動や地殻の定常的な動きによって座標が年々ずれていく量を示します。

日本列島はユーラシアプレートと太平洋プレートの境界付近にあり、地点によっては年間 数cm の恒常的な移動が生じています。この補正が JGD2024D に対応します。

読み取れること

  • 北海道・東北では太平洋方向への定常移動が見られます
  • 補正量は地域によって異なり、精密測量で元期と今期の座標を正確に扱いたい場合に参照します
  • 通常の土地測量では無視できる量ですが、GNSS連続観測や精密工事では意識が必要です

📖 技術詳細:定常時地殻変動補正パラメータ(pos2jgd)の可視化


ヒートマップの使い方——作業前の「補正確認」に

5つのパラメータをまとめると、次の使い分けになります。

場面 参照すべきパラメータ
古い地籍図・設計図が東京測地系で書かれている TKY2JGD
現場が東北・関東太平洋側にある jgdMerge2011
現場が能登半島・熊本にある jgdMerge2024
標高・地盤高の計算値が新旧で違う ジオイド2011–2024差分
精密GNSS測量で元期/今期の座標管理が必要 pos2jgd

変換画面で数値を見る前に、ヒートマップで自分の現場の補正傾向を把握しておくと、変換結果の大きさの意味が直感的につかめます。


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